60代男性の「喉に痰がからんで困る」  家族もうるさくて辛い
喫煙歴有り 現在は非喫煙


病歴 1カ月以上前から、とにかく痰が切れず、いつも喉にからんでいる状態。病院(呼吸器内科・耳鼻咽喉科)で喉や肺や血液の検査などしましたが、全く異常を指摘されない。薬を処方されて飲んでいますが、症状は横ばいで改善されません。

 本人は「勝手が悪い」と家族も「カーッ、ペッ」とやるのが、ストレスになっているという。元々痰を吐く音が人一倍苦手だったので、毎日その音が聞こえるのがかなりの負担になっています。数ヶ月前に身内を病気で亡くして以来、精神的に参っている感じとのこと

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 咳嗽の漢方治療

 ご相談のようなケースでは
  
 1) 通常の咳嗽の増悪を考えた場合

   呼吸器内科・アレルギー科・耳鼻咽喉科・感染症科

 2) 上記診療科以外の病気で咳と関係しそうなもの

   循環器内科・・・心不全
   腎泌尿器・・・・腎不全
   膠原病・・・・・間質性肺炎

 3) その他

   心療内科・・・・心因性
   職業歴・・・・・石綿肺
           農夫肺
           珪肺

 を、除外していく必要があります。

 出来ますれば、総合的に全身的に管理できるかかりつけ医となる主治医を中心に、それらの診療科の検査をお受けいただき
 想定される病態を少しずつ、絞り込んでいくことが必要です。い込み・見落としの無いように、キチンと系統立てた診断計画が必要ですが、すでに其方の診療科については診断されているようですね。
 
 さて、漢方薬について何か良い処方を知りたいというご要望について、私見を交えて書かせていただきます。

2000年前に書かれた古典である黄帝内経には、咳の原因については当時の医師がどう考えていたかについて記載があります。

「咳の原因は、肺だけではない。肺以外の心・肝・脾・腎という他の臓が原因でも咳は起こるというものでした。」
  そのため小青竜湯・麦門冬湯などの咳に頻用される処方以外に、八味地黄丸・六君子湯・桂枝茯苓丸などの咳とはあまり関係ないと思われている処方を用いて奏効することは希ではないのです。漢方をキチンと勉強をしている医師と相談して、お父上にあう処方を用いられることを強くお勧めします。

                  

 追伸 年齢や痰の性状から、想起される処方は

 五虎湯:石膏10.0;杏仁・麻黄各4.0;桑白皮3.0;甘草2.0

 八味丸:乾地黄4.0;山茱萸・薯蕷(しょよ)・沢瀉・茯苓・牡丹皮各2.0;桂枝1.0;附子0.3

 竹葉石膏湯:石膏10.0;麦門冬・粳米各6.0;半夏4.0;人参3.0;竹葉・甘草各2.0

 などでしょうか?

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